2011年9月17日土曜日

言い換えの思考

例えば10人に「セロハンテープを言い換えて下さい。」という質問をした時、十人十色の答えが返ってくる。

・片面に粘着の性質がある帯。
・透明で薄いテープ

この辺は誰でも共感できるモノとしての機能だ。だが下はどうだろう。

・絵を壁に貼付ける時に使う
・ビーッ!ピッ!(所作音)
・ギザギザの切り口
・指でもちぎれるけど単体だとキレイに切れない

この辺の回答にくると、その人の今までのセロハンテープとの関わり方や経験に起因してくる。必ずしも共感を得られるものではない。しかしこれは非常に貴重な「デザイン要点」である。

話は飛躍するが、製品としてセロハンテープをデザインする時、「誰でも共感できる機能」を付けることは「セロハンテープ」だと理解させる必要最低条件で、それに加えて「経験」を種とした仕様(素材、構造、カラーリング)や、環境(他のパーツ、置き場所)に変化を与えることで需要の広がりを生む。


新しいセロハンテープ = 誰でも共感できる機能 + 変化 ×( 仕様/経験、環境 /経験)
           

新しい◯◯によって細分化された需要を満たすには、「そもそも◯◯を言い換えると何か?」という置き換えの思考が便利である。そこに、需要を満たすための「デザイン要点」が埋まっている。